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2008年 11月 06日

正倉院を見て笑う

カテゴリー 木造建築の味覚

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先週末、奈良に行ってきました。

日本民家再生リサイクル協会の「民家フォーラム」が、

奈良県宇陀市松山地区で開催されたからです。

朝8時30分に名門大洋フェリー大阪南港に着き、

時間があったため正倉院に行くことにしました。

ちなみに正倉院は、年に一度「正倉院展」をやっているこの時期以外は

平日しか見られないそうです。

 

ともかく、視界に入ってきた瞬間、笑い声が出てしまいました。

「デ・ヘ・ヘ・ヘ・・・」

スケール感が創造とは全く違います。

地面から床まで2.7mもあるそうです。

それに、国宝建築特有の雰囲気。

穢れのない、辺りは澄み切ったような清々しさ。

たまらんです。凛としてます。

 

なぜか私は美しい倉が大好きです。

思わず見とれてしまいます。

 

倉は、今日の日本における木造建築の原型とも言えます。

伊勢神宮をはじめ、神社にはその形態を色濃く残しています。

正倉院は、三角形(正確には六角形)をログハウスのように積み上げた校倉(あぜくら)です。

神明造(しんめいづくり)の伊勢神宮も、以前は校倉ではなかったか、という説があります。

 

正倉院をよく観察しますと、向って右の北倉(ほくそう)と左の南倉(なんそう)、

そして真ん中の中倉(ちゅうそう)の三つの箱が連なっていることがわかります。

北倉と南倉は、校倉(ログハウスのような組み方)。中倉だけが板倉(いたくら)になっています。

板倉とは、柱があって、柱に溝を彫り、そこに板を落とし込んだ構造です。

それを発見し、思わず嬉しくなりました。

私の師である安藤邦廣先生が提案する板倉構法ですからね(^^

 

結界があって、近くに寄れませんでしたが、それでも嬉しいひとときでした。

 
 

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