アーカイブ 2008年10月

2008年 10月 28日

近代建築・巨匠の「終の棲家」はなぜ「茅葺民家」なのか。

cimg4340.JPG
一昨日、日本民家再生リサイクル協会の九州民家塾で、池田武邦先生の自邸「邦久庵」にお邪魔してきました。

池田先生は、日本設計の創始者。代表作は、霞が関ビル(超高層)、筑波学術研究都市、長崎オランダ村ハウステンボスなど。まさに、近代建築の先頭を歩いてこられた巨匠です。

そんな先生の終の棲家は、伝統木造の「茅葺屋根」。

「なぜこの形になったのか」話していただきました。

今日は、その内容をシェアしたいと思います。

 

*********************

なぜこの形になったのか?

それは、一言で言うならば「感性を取り戻す」ため。

この家にあるのは、

波の音、鳥の鳴き声、虫の声。

それから風の音、塩の満ち引き、月齢。

 

若かりしときは、近代化すれば、合理化していけば、

世の中は良くなり、豊かになり、人間にとっていいことばかりだ、

と思ってやってきた。

ところが、その成長には限界があることを公害問題で知る。

たとえばDDT。

スイスの科学者パウル・ヘルマン・ミュラーはDDTにてノーベル賞を受賞した。

その後、レイチェル・カーソン「沈黙の春」で農薬問題が告発されDDTは使用禁止となる。

近代化の世の中は、急激に上昇カーブを描き、そしてダメになる。

ローマクラブの「成長の限界」は、それを示唆している。

 

近代文明を享受すると、感性が鈍る。

そして、身の危険を感じなくなってしまう。

 

文明とは、普遍・優劣・創造・欲望・人間主体なもの。

文化とは、固有・対等・伝承・知足・自然主体なもの。

文明とは遠心力。文化とは求心力。

 

文明の良し悪しを心得ながら、今は文化を目覚めさせるとき。

文化の掘り起こしを今やらなければ、伝承が途切れてしまう。

 

足るを知ると同時に、精神的なものにウェイトを置く世の中にしたい。

 

*********************

cimg4128.JPG

ちなみに文化と文明の定義を司馬遼太郎は「アメリカ素描」こう表現しています。

「文明は

『たれもが参加できる普遍的なもの・合理的なもの・機能的なもの』

をさすのに対し、

文化はむしろ不合理なものであり、

特定の集団(たとえば民族)においてのみ通用する特殊なもので、

他に及ぼしがたい。つまりは普遍的でない。」

(2年半前の拙ブログ「文化と文明の振り子」に関連記事あり。)




コメント(8)

2008年 10月 24日

「森林(もり)の向こう側」 いよいよ本日!

カテゴリー イベントのご案内

cimg4297.JPG
いよいよ、「木挽き棟梁が語る森林(もり)の向こう側」は、本日の夕方と迫りました。

久しぶりに味わう、心地よい緊張感です!

 

九州大学の朝廣先生から、今回のお話のお電話をいただいたのは8月2日・土曜日の朝でした。

そのときのことは今でもハッキリと覚えていて、とてもワクワクしたことを思い出します。

ところが、企画趣旨とともに、日時や会場のことなどを聞き始めると、なんだか不安になってきました。

平日の夕方に、会費を出して、無名の私なんかの話しを聞きにきてくださる方がいるのだろうか・・・

会場のキャパが100名とは多いなぁ。日程的に知り合いに声かけての動員は厳しいよなぁ・・・

 

朝廣先生をはじめとする「ふくおか森づくりネットワークの方々が打ち合わせのため、私のところへお見えになったのが9月1日。

そのとき私は、こんなこと言ってしまいました。

「これまで私は講演なんてやったことありませんよ。4回シリーズの大切な1回目が、そんな私でよいのでしょうか?」

(弱気の虫です。臆病ですね、笑)

朝廣先生も少し困った表情になって・・・

 

そこに、名案が浮かびました!(笑)

九州で一世を風靡した西日本新聞の人気企画「食卓の向こう側」の佐藤弘さんと一緒にトークショウをやりたいなぁ。。。

 

佐藤さんとは、

昨年の木青連フォーラム「木で学校をつくるということ」にパネリストでご出演されて以来、おつきあいさせていただいています。

ご多忙な方とは知りつつも、朝廣先生にそのようにお話ししたところ、なんと佐藤さんが受けてくださることになりました。

佐藤さんとは、これまで何度か議論してきました。

「農業の記事を書いても関心を示さない読者に「食」を切り口として企画したのが「食卓の向こう側」。

それでは、「食卓の向こう側」の林業版は、いったい何の向こう側なのか。。。」

そうこうしているうちに、「森林(もり)の向こう側」を仮称タイトルとしてやりとりするようになりました。

 

というわけで、表題となったわけです。

写真は講演の際プロジェクターで映写する資料をプリントアウトしたものです。

なれないパワーポイントを使いながら、今週月曜日の夜より三日三晩で作成。その数58頁。

日常の営業トークや会話などで話してきたことをまとめるとこうなるのか・・・

新しい発見で感動しました。

このコンテンツはHPにも使えるなぁ~とも。

 

今夜は、「ふくおか森づくりネットワーク」の方々が頑張ってお声掛け

くださったおかげでかなりお集りいただけるようです。

それに、週間予報では雨となっていて心配しましたが、どうやらお天気になりました!

今夜いい酒飲めるよう、がんばってきます。

コメント(2)