2010年 6月 14日

山笠の山車に使う担ぎ棒、どんな木を選べばいいの?(1)


GWが明けたばかりの先月6日、『木挽棟梁のモノサシ』の読者である
福岡県糸田町にお住まいのNさんからお電話をいただきました。
 
「山笠の山車に使用する担ぎ棒についてご相談したいのです。
 今使っている物は、とても素晴らしい木なのですが古くなってきました。
 そろそろ、それに劣らないモノを新調しよう、と話し合っているところです。
 11mの長さの物が2本必要なのですが…」
 
山笠(山車)といってもいろいろあります。
車輪があって曳くのか、それとも担ぐのか。
数本あるうちの2本なのか、それとも2本だけなのか。
そこで、用途を尋ねたところ、
使われ方の過酷さに少し驚きました。
 
「長さ11m程の担ぎ棒2本で、2トンほどの飾り山を車輪無しで担ぎます。
 町内の他の山笠では、新調した担ぎ棒が祭りの最中に折れたこともあって…」
 
有名な博多山笠の舁き山も担ぎますが、
担ぎ棒は6本で長さは6m弱、重さは1トンくらいと聞きます。
11mの木2本で2トンを担ぐということが、どれだけ1本の木に負担をかけるのか、
お話を聞くだけでは想像がつきません。
ただ、選木が如何に重要であるか、ということだけは理解できました。
 
「杉や檜など樹種によって、強度の違いがあるそうですが、
 杉岡さんの新聞記事では、同じ樹種(杉)でも、
 品種によっても大きなばらつきがあると書いてありました。
 80年間使い続けてきた軽くて硬い私たちの担ぎ棒を、
 まずは見ていただけませんか。
 相談する人によって樹種の見立てが違うので、
 ますは樹種が何なのか知りたいしですし、
 今後どうすればよいのか相談もしたいと思っています。」
 
お電話いただいたのは木曜日で、その週末は祭り本番ということでした。
今回見ておかなければ、来年まで観察することは叶いませんから、
早速、翌日お伺いする約束をして電話を切りました。
 
2本の木で、2トンを担ぐという極限の用途ともいえるこのご相談は、
木の強度を考える上で、学ぶことが多く大変勉強になりました。
次回、もう少し掘り下げたいと思います。

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