アーカイブ 「日々雑感」

2019年 5月 29日

針葉樹は悪くない

令和元年5月25日(土)付
西日本新聞朝刊二面の風向計「針葉樹は悪くない」

災害がおこると悪者扱いされる人工林に針葉樹。
平成29年九州北部豪雨後、「もう杉はよか・・」という声なき声が聞こえてきます。
ニハチの水害と呼ばれる昭和28年の筑後川大氾濫の時は、伐り尽くされ荒廃した山林が悪と見なされました。
そうした大水害が日本中に頻発したからでしょう。戦後の拡大造林は一気に広まりました。
災害がおこると人は何か(誰か)のせいにしたがる傾向にある。
自然の猛威が原因でも、人災へと転化する。
昭和28年は木を植えることが唱えられました。
そして平成29年は木を伐ることが訴えられたました。
災害直後、私はなにが正しいのか判断できずに、本を読み直し、山々を歩きました。
おそらく、この記事に対し矢を放つ人がでてくることでしょう。
森林の問題は、なぜか人を感情的にします。
生き物としての防衛本能がそうさせるのではないかと感じます。
腹を据えてシェアします。ご高覧戴けましたら幸いです。

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2018年 12月 31日

平成30年、私は何を考えたか


一年間の入手書籍を7年前から公開しています。
入手書籍なので全部を読んだわけではありませんが、その時々で何を考えていたか、よい記録となります。
今年の入手書籍は142冊でした。
7月から半年間、九州民家大学と銘うち安藤邦廣先生(筑波大学名誉教授)の講義を月4時間受講しました。
その講義に大いに刺激を受け、後半は特によく本を読みました。読み返した本もたくさんあります。
日本書紀全編を貪るように精読したことが印象深いです。
最も興味深く読んだ本は『筑紫の磐井』太郎良盛幸著と『森と草原の歴史』小椋純一著でした。

今年は、これまで活動してきたことの様々な成果を目にできた一年でもありました。
1.「伝統建築工匠の技」として ユネスコ無形文化遺産への推薦が文化庁で決定。
2.(一社)日本茅葺き文化協会(理事)が 文化庁の選定保存技術団体に認定。
3.(一社)日本板倉建築協会(理事)にて、いわき市から総社市へ、板倉の仮設住宅24棟の移築プロジェクト完工。
4.災害流木再生PJにて樟の流木から生まれた「朝倉龍」を7月5日、新設杷木小学校へ寄贈。
5.PTA 会長をしていた附属久留米中のグランド整備(全額寄付事業)が完了。
6.7月、親父から代表取締役社長を継承。

仕事としてとくに印象深いのは2件。
1.祖母と伯父の骨が眠る福岡市鳥飼のお寺の本堂新築工事に携わったこと
2.唐招提寺経蔵(日本最古の校倉)を原寸大で復元する仕事の製材にとりかかったこと(見出しPh:唐招提寺経蔵)

等々まとめてみると、実り多き充実した一年のようですが、実際はとても苦しみあえいだ悩み多き一年でした。
2019年2月で50歳、知天命の歳になります。ギアチェンジして、気持ち新たに挑戦したいと思います。

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平成30年 購入(入手)書籍一覧
1月(7)
『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか 』 ジャレド ダイアモンド,
『原始・古代の日本海文化』 武光誠, 山岸良二,
『木を植えた男』 ジャン ジオノ,フレデリック バック,寺岡 襄
『翻訳と日本の近代 (岩波新書)』 丸山眞男 , 加藤周一
『山本覚馬 – 付・西周『百一新論』 』 松本 健一
『伝統技法で茅葺き小屋を建ててみた―『木の家は三百年』実践記』 原田 紀子
『「新しい郊外」の家 (RELAX REAL ESTATE LIBRARY)』

2月(11)
『スペクテイター〈29号〉 ホール・アース・カタログ〈前篇〉』 エディトリアル・デパートメント
『スペクテイター〈30号〉 ホール・アース・カタログ〈後篇〉』 エディトリアル・デパートメント
『日本の分水嶺』 堀 公俊
『EQ こころの知能指数』 ダニエル・ゴールマン,土屋 京子
『日本の名随筆 (86) 祈』 石牟礼 道子
『西南役伝説』 石牟礼 道子
『同族経営はなぜ3代でつぶれるのか?』 武井 一喜
『宇宙船地球号操縦マニュアル』 バックミンスター フラー, 芹沢高志,
『易の話』 金谷 治
『人と動物の日本史 1 (1) 動物の考古学』 西本豊弘,
『孔子』 靖, 井上

3月(1)
『完訳 7つの習慣―人格主義の回復』 スティーブン・R. コヴィー,

4月(7)
『日本の集落 全3巻セット』 高須賀晋、畑亮夫
『木造建築の詳細 龍雲院白山道場 < 住宅建築別冊 1 >』 高須賀晋
『住宅建築 1975年8月 枠組壁工法の技術・教育など』 高須賀晋ほか
『友だち幻想 』 菅野 仁
『法華経 2018年4月 (100分 de 名著)』 植木 雅俊

5月(8)
『住の神話―Life/space/imagination』 吉田 桂二
『民家に学ぶ家づくり』 吉田 桂二
『茶人たちの日本文化史』 谷 晃
『道元「禅」の言葉―ゆっくり読む、ゆっくり生きる』 境野 勝悟
『森林美学(H・フォン・ザーリッシュ)』 小池 孝良,清水 裕子,伊藤 太一,芝 正己,伊藤 精晤
『日本の神々』 谷川 健一
『親鸞「四つの謎」を解く』 梅原 猛
『仏の発見』 五木寛之, 梅原猛,

6月(11)
『日本の野生植物 木本 フィールド版』 佐竹義輔・原寛・亘理俊次・冨成忠夫
『玄冬の戸隠―神聖なる時空の交叉する聖地』 宮澤 和穂
『国字の字典 新装版』 菅原 義三,飛田 良文
『方言漢字』 笹原 宏之
『住宅建築 2007年 06月号』 高須賀晋 空間の美学
『知恵の遙かな頂』 ラマ・ケツン・サンポ,中沢新一
『蓮如―われ深き淵より』 五木 寛之
『建築の歴史』 藤井恵介 , 玉井哲雄
『法隆寺〈2〉建築 (日本の古寺美術)』 藤井 恵介
『「魏志倭人伝」の世界 吉野ヶ里遺跡展』 江上波夫・佐原眞他
『共鳴する神々―鎮守の森からのメッセージ』 ライアル ワトソン, 衛藤駿, 毛綱毅昿, 松岡正剛, 鎌田東二,

7月(15)
『地図を読む』 五百沢 智也
『人と景観の歴史』 小椋 純一
『北蝦夷図説』 間宮倫宗
『建築の学と芸』 伊東忠太 
『日本森林紀行―森のすがたと特性』 大場 秀章
『大場秀章著作選〈2〉植物分類学・植物地理生態学』 大場 秀章
『絶望の精神史』 金子 光晴
『神功皇后伝承を歩く〈上〉福岡県の神社ガイドブック』 綾杉 るな
『神功皇后伝承を歩く〈下〉福岡県の神社ガイドブック』 綾杉 るな
『縄文人の能舞台―ロンドン報告『神々の数学史』』 上野 和男
『日本の樹木』 林 弥栄
『土を喰らう 復刻版』 向中野義雄
『伊東忠太を知っていますか』 鈴木 博之
『建築の発想―日本と西欧』 谷川 正己
『場と共創』 清水博 ほか

8月(10)
『知らなかった! 日本語の歴史』 浅川 哲也
『木の文化と科学』 伊東 隆夫
『仏像の樹種から考える 古代一木彫像の謎』 金子啓明, 岩佐光晴,藤井智之,能城修一,安部久
『神話の力』 神話の力
『場所の記憶―日本という身体』 鎌田 東二
『建築の無限 (1980年)』 毛綱 毅曠
『住まいの伝統技術』 安藤邦広, 乾尚彦, 山下浩一
『住まいからみた人と神の生活』 森浩一
『漢字雑談』 高島 俊男
『現代思想 2017年12月号 人新世 ―地質年代が示す人類と地球の未来―』 ブルーノ・ラトゥール,ダナ・ハラウェイ,ティモシー・モートン,中村桂子,北野圭介,篠原雅武,大村敬一,奥野克巳,水口憲哉

9月(9)
『心に美しい庭をつくりなさい。』 枡野 俊明
『論文にみる 日本の科学50年』
『日本人はるかな旅 (3) 』 NHKスペシャル「日本人」プロジェクト
『草木の声 (1980年)』 水上 勉
『日本の名随筆 (別巻27) 地名』 谷川健一,
『東と西‐二つの日本』 谷川 健一
『神々のふるさと』 宮崎康平
『太古の全記憶を抱えた巨大生命体 ガイアの森 2040年からのミッション』 綾杉るな
『大地の雲映 -地震は雲霞の形や色で、予知できる-』 真鍋大覚

10月(22)
『花粉は語る―人間と植生の歴史 (1974年) (岩波新書)』 塚田 松雄
『植物の起源と進化』 E.J.H.コーナー 大場秀章, 能城修一 訳
『日本書紀〈1〉 (岩波文庫)』 坂本 太郎,井上 光貞,家永 三郎,大野 晋
『日本書紀〈2〉 (岩波文庫)』 坂本 太郎,井上 光貞,家永 三郎,大野 晋
『日本書紀〈3〉 (岩波文庫)』 坂本 太郎,井上 光貞,家永 三郎,大野 晋
『日本書紀〈4〉 (岩波文庫)』 坂本 太郎,井上 光貞,家永 三郎,大野 晋
『日本書紀〈5〉 (岩波文庫)』 坂本 太郎,井上 光貞,家永 三郎,大野 晋
『日本の古代〈6〉王権をめぐる戦い』 岸俊男,
『安曇族と徐福―弥生時代を創りあげた人たち』 亀山 勝
『弥生時代を拓いた安曇族』 亀山 勝
『信濃安曇族の謎を追う―どこから来て、どこへ消えたか』 博, 坂本
『「倭」の神々と邪馬台国』 宮島正人
『住まいから寒さ・暑さを取り除く―採暖から「暖房」、冷暴から「冷忘」へ』 荒谷 登
『古事記の暗号』 睦泰, 竹内
『加藤周一最終講義』 加藤 周一
『南方熊楠―奇想天外の巨人』 荒俣 宏
『筑紫の磐井』 太郎良 盛幸
『パリで生まれた世界一おいしい日本野菜』 山下 朝史
『現代語古事記: 神々の物語』 竹田 恒泰
『武産合気 植芝盛平先生口述』 高橋英雄,
『国境をこえた地域づくり: グローカルな絆が生まれる瞬間』 西川 芳昭,木全 洋一郎,辰己 佳寿子
『アナスタシア 7巻 生命のエネルギー』 ウラジーミル・メグレ

11月(13)
『翻訳語成立事情』 柳父 章
『売茶翁偈語 訳注』 売茶翁偈語 訳注
『茶室の研究』 茶室の研究
『続日本紀(上) 全現代語訳』 宇治谷 孟
『古事記の邪馬台国』 竹内睦泰
『日本後紀(下)全現代語訳』 森田 悌
『共生のデザイン 禅の発想が表現をひらく』 枡野俊明
『クスノキと日本人―知られざる古代巨樹信仰』 佐藤 洋一郎
『楠 (ものと人間の文化史)』 矢野憲一/矢野高陽 
『くずし字解読辞典 普及版』 幸多, 児玉
『ワイルド・スワン 上中下巻セット』 ユン チュアン

12月(28)
『森の不思議を解き明かす』 日本生態学会,矢原 徹一
『薬に頼らずコレステロール・中性脂肪を下げる方法』 長島寿恵
『堀口申作のBスポット療法』 堀口 申作
『自然欠乏症候群 -体と心のその「つらさ」、自然不足が原因です-』 山本 竜隆
『生きがいの創造 2』 飯田 史彦
『ソウルメイト』 飯田 史彦
『ブレイクスルー思考―人生変革のための現状突破法』 飯田 史彦
『朝型勤務がダメな理由 あなたの睡眠を改善する最新知識』 三島 和夫
『担当者の「?」をサクッと解決!中途採用の教科書Q&A』 稲田 行徳
『採用を変える、組織が変わる』 高岡 幸生
『父という余分なもの: サルに探る文明の起源』 山極 寿一
『京大式 おもろい勉強法』 山極寿一
『森と草原の歴史―日本の植生景観はどのように移り変わってきたのか』 小椋 純一
『住宅建築1982年10月号 古典数寄屋研究28 桂離宮再見』 棲み方の生態学1
『住宅建築1982年12月号 古典数寄屋研究29 桂離宮再見』 棲み方の生態学2
『住宅建築1983年2月号|遠藤新の住宅建築』 棲み方の生態学3
『住宅建築1983年4月号 特集:山荘・別荘』 棲み方の生態学4
『住宅建築1983年6月号 日本の集落:南西諸島 ほか』 棲み方の生態学5
『住宅建築1983年8月号 J.H.ハウの作品 ほか』 棲み方の生態学6
『日本の神々と祭り 神社とは何か』 歴史民俗博物館振興会
『万葉植物事典 万葉植物を読む』 山田卓三,北隆館
『パーマカルチャー 地球とつながる楽園のくらし DVD』
『マツとシイ―森の栄枯盛衰』 洋, 原田,達宏, 磯谷
『小泉信三―天皇の師として、自由主義者として』 小川原 正道
『感奮語録』 行徳 哲男
『西域をゆく』 靖, 井上,遼太郎, 司馬
『物語の起源―フルコト論』 藤井 貞和
『天平の甍』 靖, 井上
計142冊


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2018年 7月 24日

明日、手放したくない木を納品します

 
明日、手放したくない木を納品します(笑)
写真は150年ほどの杉の木で、元の直径が1350㎜くらいありました。
それを半割して芯の部分を除いた盤木です。
お寺の本堂の向拝(ごはい)という場所の海老虹梁(えびこうりょう)という部材に用います。
裏にも節はあまりありません。
この木は、祖母と尊敬する伯父の遺骨が眠るお寺に嫁ぎます。
嫁ぎ先として最高の場所だと思っています。いつでも会いに行けますし。
先人の育てられた労苦のうえにおいて今の私の仕事は成り立っている、とつくづく思います。有難いです。
 

尚、もっと目詰まりの銘木は吉野などに行けば多々あると思います。
その点で言うと、吉野などの木を見慣れている人には目粗だと感じられるかもしれません。
私にとって、この杉が好きなところは最初の30年くらいで直径一寸五分(45ミリ)しか幹がないのに、
そこから急に年輪幅が大きくなって、切られるまで年輪幅がほとんど変わらない。
150年生きていても旺盛な生長を見せる、木の生命力のようなもの、勢いを感じさせるところです。
自分もこうありたいな、と思うのです。
材質においても、九州の杉という感じです。
春目(早材)の繊維がつまっていて、秋目(晩材)との比重の差が少なく、均質な材質で、反りや狂いがありません。
色もご覧の通りよくて心材の初期含水率が低いのです。
九州杉の在来品種メアサ系の杉で、私はもっとも好んで使っています。
立ち姿の写真のないところが残念です。
このような木は、そんな履歴が必要だと感じます。森の物語を語らねばなりません。

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2018年 7月 08日

九州北部豪雨から一年

九州北部豪雨からあっという間の一年でした。
でもあの日のことは遠い昔のことのように感じます。
この一年はつらいことも多くて、心情的に大きく変わったような気がします。
あれからちょうど一年である7月5日は、私にとって節目の日となりました。
この日は、昨年7月26日にレスキューした流木の大樟が、
九州大学芸術工学研究院の知足美加子さんの手により彫刻作品「朝倉龍」となって、
新設杷木小学校に寄贈されたのです。
この龍のやさしい眼差しに一目ぼれして以来、携帯の待ち受けにしています。

全景はこちら ↓ をご覧ください。
http://elfinfukuoka.blog.jp/archives/76794729.html
1年ということがあり、下記のような記事の掲載をしていただきました。

●7月4日付 毎日新聞(夕刊)


●7月7日付 西日本新聞(朝刊・ふくおか都市圏版)


尚、龍の九似によると、龍の眼は兎の眼なのだそうです。
『兎の眼』といえば、灰谷健次郎著の同名の小説があります。
小説の主人公、22歳の新任女性教師である小谷先生は、感受性が高く泣き虫です。
子どもを思い、目をしょっちゅう真っ赤にはらします。
真っ赤に泣きはらした兎の眼をした朝倉龍の眼差しは、小谷先生のような、悲母のようなやさしさを感じます。
その小谷先生が、奈良の西大寺に善財童子を見に行った時の描写が下記文章です。

「あいかわらず善財童子は美しい眼をしていた。
 ひとの眼というより、兎の眼だった、
 それはいのりをこめたような、ものを思うかのように、静かな光をたたえてやさしかった。」
(20180427)

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2018年 6月 07日

肖像~日本経済新聞

カテゴリー 日々雑感


先週の6月2日(土)、日経新聞朝刊の「肖像」というコーナーに取り上げていただきました。
世の中への経済的な貢献において、うちはきわめて小さな存在なので、当初取材は固辞していました。
ところが、この掲載が一助となって、当日(6月2日)に驚くべきご縁がありました。
何事も前向きに取り組まねば、とつくづく感じた経験でした。

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2018年 4月 05日

「関ヶ原」以来、四百年の時空がおり成した御神木


3月26日、九州木材市場(日田市)の春季優良材市にて、
推定樹齢四百年の杉が出材されました。
大分県臼杵市野津町、熊野神社の御神木で、平成29年の台風18号の被害に遭ったものです。
「臼杵時間」というHPに立っていた時の写真があります。
http://www.usuki-jikan.com/info/453/
 
この樹の往時の写真を見ていると、木として売り買いされる現実が、なんだか信じられません。
四百年前というと関ヶ原の戦い、家康公ご存命の時代です。

 

一本の木が5本に玉切りされ、元玉の元口(最も地面に近いところ)の長い方の直径は2mを超えていました。



割れはあるものの、杢が出ており、目合い、色合いのすばらしい材質。
おそらくメアサスギだと思います。
 


私は、一番上の五番玉のところのみご縁をいただきました。
残りのものは全て秋田に行き、突板になるのではないでしょうか。
9年ほど前になりますが、西日本新聞に寄稿した記事において、
樹齢400年の杉が切られどう使われるのか、それを知ったときの複雑な思いを書きました。
今回、同じ樹齢400年の杉の木を目前にしながら、当時の思いがよみがえりました。
よろしければ ↓ ご一読ください。
『木挽棟梁のモノサシ6「材齢~樹齢以上に長持ち」』(西日本新聞・朝刊 2009年12月27日)

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2018年 3月 14日

流木レスキュー 備忘録②


3月14日、以前より気になっていた流木をレスキューしに行きました。
なぜその木が気になったのか。
祖父との思い出の木ではないかと思ったからです。

朝倉豪雨で大きな被害を受けた松末(ますえ)地区には、
14年前他界した祖父が大事にしていた山がありました。
山に入ると、谷に立つひときわ大きな杉の木に尺をまわして、
「昭和〇年〇月〇日、〇尺〇寸」と皮を少しだけ削って、幹に墨書していました。
ところが今回の水害でその木は流されてしまいました。
山の周辺を探しましたが見当たらず、あきらめざるをえませんでした。


 
ある日のこと、筑後川の堤防道沿いを車で通っていると、
積み上げられた流木群があって、そのなかに、ハッとする一本を見つけました。
慌てて車を停め、しばらくの間、その年輪を見つめました。
この木は祖父との思い出の木ではないだろうか。
たとえそうでなくとも、あの木とみなそう。そう思いました。
以来、その道を通るたびに、その木と目が合って仕方ありませんでした。


   

 
二日前の3月12日(土木用試験材をレスキューした日)は祖父の命日です。
毎年この日は松末の山に行き、思い出の木に酒をかけお参りをしていました。
「その時のエピソードを書いた記事~継承・山の姿に思いはせ」
http://www.sugiokatoshikuni.com/?page_id=1252#15
しかし今年は、この木をレスキューした3月14日に山へ行きました。
谷はきれいに片づけられ、仮設の防災ネットが張られていました。
 


被災直後に入ったときは、倒れても流されずその場に踏ん張った杉の木々を見ました。
二次災害を防ぐためには、流木を堰き止め立ってていた木々も、一緒に切って片付けねばなりません。
そこで、立っていた木々のみ、うちの土場に運んできました。
 


こうして土場に運ばれてきた松末の木々と、この日レスキューしてきた木々を、
一緒に積んだのが下の写真です。8か月ぶりの再会を果せたのかもしれませんね。
この木の大きな根っこも積み込めたので運んできました。
こんなに根が張っていても流されるのだ、ということを教えてくれます。
(流木利用については国土交通省九州地方整備局の承認を得ています)
 

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2018年 3月 12日

流木レスキュー 備忘録①


 
H30年3月12日、筑後川沿いの堤防道に積まれている流木をレスキューしました。
九州の土木学会系の木材利用の研究会において、豪雨災害による流木や被害木を
土木材料として利用できないか検討するための試験材として利用されます。
杉の木の直径20センチ弱、直材で割れなどの少ない2.5m以上の物を35本選別しました。
大学の研究者、農林業総合試験場の方々と共に、
鳶口を使いながら2tトラックに積み込みました。
皮がきれいに剥がれていますし、木口面がグシャグシャのものが多く、
樹種を見分けることだけでも容易ではなく慎重をきしました。
肉体的には疲労感ありましたが、
皆さんの、なんとか木を活かさなくては、という気持ちが伝わってきて、
とても穏やかな気持ちになりました。
(流木利用については国土交通省九州地方整備局の承認を得ています。)

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2017年 12月 31日

平成29年、私は何を考えたか。

(朝倉市杷木松末 赤谷川上流 所有林)


6年前から一年間の入手書籍を公開しています。
その時々で何を考えていたか、よい記録となります。
今年の入手書籍は152冊でした。ただ、3分の1はキングダムという漫画です(笑)
7月の豪雨水害以降は、林業、植生、地質、地名などの本を読みました。
なかでもこの2冊。持っていてこれまで何度か読んだ本なのですが、
以下抜粋部を水害後に再読した際には、とても大きな衝撃を受けました。

◆『福岡県地名考』梅林孝雄
杷木という地名の語源は、浸食・風化などにより崩れやすくなっている
川岸、崖地などを指す語の「ハキ、ハギ、ハクイ」に由来しており、
杷木は崩壊地形を意味する地名と思われる

◆『森林飽和』太田猛彦
第二章「はげ山だらけの日本」
花崗岩類はほかの岩石と異なり、独特の風化様式を示す。(中略)
花崗岩類は「深層風化」と呼ばれる特殊な風化様式によって
地中深くまで風化してしまう場合が多く、しかも岩石がいきなり砂(真砂土)になる。
地表を覆う落葉や下草が取り払われると降雨によって容易に侵食され、はげ山になってしまう
 
杷木、とくに松末地区が真砂土の地質が多いことは、
祖父が山を育てながら、よく嘆いていたので知っていました。
しかし、初めてこの本を読んだときは、この部分は読み流していたように思います。
これから、山において、復旧と復興をどう考えていくか。
百年の計として、被害をじっくり観察して、よく考えたうえで行動したいと思います。

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平成29年 購入(入手)書籍一覧
1月(15)
『相対性理論への招待―空間・時間・アインシュタイン』杉本 賢治、ミッチ・ストラブル; 向井 忠亮
『アインシュタイン・ショック〈1〉大正日本を揺がせた四十三日間』 金子 務
『アインシュタイン・ショック〈2〉日本の文化と思想への衝撃』 金子 務
『日本会議の研究 』 菅野 完
『日本会議の正体』 青木理
『古事記と日本国の世界的使命』 谷口 雅春
『カミとヒトの解剖学』 養老 孟司
『サルタヒコの謎を解く』 藤井 耕一郎
『サルタヒコの旅』 鎌田 東二
『“狐”が選んだ入門書』山村 修
『続虫られっ話 手塚治虫対談集』 手塚治虫
『泉光院江戸旅日記: 山伏が見た江戸期庶民のくらし』石川 英輔
『パニック障害からの快復 こうすれば不安や恐怖は改善できる』 シャーリー・スウィード,シーモア・シェパード・ジャフ,香川 由利子,森津 純子
『ル・コルビュジエを見る―20世紀最高の建築家、創造の軌跡』 越後島 研一
『美しい日本の私』 川端 康成,エドワード.G・サイデンステッカ-

2月(11)
『日本の倉』 伊藤ていじ文/高井潔写真/田中一光
『新建築 1956年11月 第31巻第11号』
『生命の実相―頭注版 (第7巻)』 谷口 雅春
『半過去の建築から』 木島 安史
『夏目漱石、現代を語る 漱石社会評論集』 小森 陽一,夏目 漱石
『古代国語の音韻に就いて―他二篇』 橋本 進吉
『評価される博士・修士卒業論文の書き方・考え方』 新堀 聡
『論文の書き方』 清水 幾太郎
『隠された十字架―法隆寺論』 梅原猛
『シュタイナーの死者の書』 ルドルフ シュタイナー, 高橋巖,
『Discover Japan(ディスカバージャパン) 2017年 03 月号』

3月(2)
『日本の美術〈第21〉民家 (1965年)』
『住宅建築 2008年 04月号』

4月(51)
『キングダム①~㊻』全46冊
『樹霊』 司馬 遼太郎
『江戸の子育て』中江 和恵
『スノーデン 日本への警告』 エドワード・スノーデン,青木 理,井桁大介,金昌浩,ベン・ワイズナー,宮下紘,マリコ・ヒロセ
『モノマガジン 2017年5/2号』
『種類・特徴から材質・用途までわかる樹木と木材の図鑑』 西川 栄明,小泉 章夫

5月(7)
『はじめて読む聖書』 田川建三ほか
『遊糸繚乱 (1974年)』 山本 健吉
『仏像―心とかたち (1965年)』 望月 信成,佐和 隆研,梅原 猛
『荒天の武学』 内田 樹,光岡 英稔
『戦略立案ハンドブック (Best solution)』 デービッド・A. アーカー,Aaker,David A.,昌宏, 今枝
『火山のふもとで』 松家 仁之
『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』 井上 ひさし,文学の蔵

6月(1)
『常用字解 第二版』 白川 静

7月(10)
『井上ひさしと考える 日本の農業』 井上ひさし,山下惣一 編
『土地と日本人 対談集』 司馬遼太郎,石井紫郎, ぬやまひろし,野坂昭如,高橋裕,松下幸之助
『ヨーロッパとの対話 (1980年)』 木村 尚三郎
『土地所有史 (新体系日本史)』 渡辺尚志, 五味文彦
『森林飽和 国土の変貌を考える』 太田 猛彦
『[増補]決定版・日本史』 渡部 昇一
『感じるままに生きなさい ―山伏の流儀』 星野 文紘
『脳がよみがえる断食力』 山田 豊文
『故郷七十年』 柳田 國男
『住宅巡礼 続』 中村 好文

8月(5)
『応仁の乱 – 戦国時代を生んだ大乱 』 呉座 勇一
『日本中世の民衆像―平民と職人』 網野 善彦
『韓国・檀君神話と英彦山開山伝承の謎―日韓古代史シンポジウム』 長野覚, 朴 成寿
『日本史の誕生―千三百年前の外圧が日本を作った』 岡田 英弘
『キングダム48』

9月(13)
『英彦山伝説仏教を運んだ男』 市丸郁夫
『豊前英彦山 天然記念物鬼杉』
『福岡県名所図録図絵 復刻版』 清水吉康 大蔵出版会
『漆の文化史』 四柳 嘉章
『まんが 黄帝内経―中国古代の養生奇書』 恵悌, 張
『神は樹木に降りたまう』 海藤 精一郎
『五つの王国―図説・生物界ガイド』 リン マルグリス,カーリーン・V. シュヴァルツ, 川島誠一郎, 根平邦人,
『生命の宝庫・熱帯雨林』 井上民二,
『道教百話 』 窪 徳忠
『世界史の誕生─モンゴルの発展と伝統』 岡田 英弘
『樹皮ハンドブック』 林 将之
『随筆集 念ずれば花ひらく』 坂村 真民
『坂村 真民』 坂村 真民

10月(17)
『柳田国男全集〈14〉』 柳田 国男
『森の聖者 自然保護の父ジョン・ミューア』 加藤則芳
『緑の予言者―自然保護の父ジョン・ミューア』 ジョン ミューア,Muir,John,鉱司, 熊谷
『新版 茅葺きの民俗学―生活技術としての民家―』 安藤邦廣
『茅葺きの民俗学 生活技術としての民家』 安藤邦廣
『日本文化史研究(上)』 内藤 湖南
『日本文化史研究(下)』 内藤 湖南
『文章読本 』 向井 敏
『方円の器 ―奇跡の中学校長が語る教育と学力』 友道 健氏,佐藤剛史
『木のひみつ』 京都大学木質科学研究所創立50周年記念事業会
『弥勒の来た道』 立川 武蔵
『林ヲ営ム: 木の価値を高める技術と経営』 赤堀楠雄
『間取りの方程式』 飯塚 豊
『住まいの解剖図鑑』 増田 奏
『片づけの解剖図鑑』 鈴木信弘
『神と仏の間』 和歌森 太郎
『縄文の神秘』 梅原 猛

11月(12)
『淡窓遺墨撰集』 緒方無元編,広瀬淡窓遺墨刊行会
『日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語』 山崎 晴雄,久保 純子
『デザインの鍵-人間・建築・方法-』 池邊陽
『一族の書』 ウラジーミル・メグレ,にしやま やすよ,岩砂 晶子
『地名語源辞典〈続〉』 山中 襄太
『地名語源辞典』 山中 襄太
『シュメル神話の世界―粘土板に刻まれた最古のロマン』 岡田明子, 小林登志子,
『レバノン杉物語―「ギルガメシュ叙事詩」から地球温暖化まで』 伊藤章治, 岡本理子, 鍔山英次
『“現代家族”の誕生―幻想系家族論の死』 岩村 暢子
『考える人びと―この10人の激しさが、思想だ。』 入澤 美時
『歎異抄をひらく』 高森 顕徹
『コンフォルト 2017年 12 月号 ~杉を生かす、杉と生きる』

12月(8)
『丸善 単位の辞典』 二村隆夫,
『図解・よくわかる 単位の事典』 星田 直彦
『かたあしだちょうのエルフ』 おのき がく
『人生を創る言葉』 渡部 昇一
『歩き方できまる 長生き父さん、早死に父さん。』 宇多川 久美子
『住宅産業大予測2018』 三浦 祐成, 新建ハウジング
『工匠たちの技と知恵―世界の住まいにみる』 太田 邦夫
『大宰府と新羅・百済の文化』 福岡県教育委員会編
計152冊

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2017年 9月 15日

従業員募集

カテゴリー 日々雑感

(有)杉岡製材所では、私達と一緒に働いてくれる方を募集中です。

・木が好きな方
・木造建築に興味がある方
・山や林業に興味がある方
であれば、学歴・経歴不問です。

勤務日数 
勤務時間 AM8;00~PM5:00(休憩90分)
待遇   当社規定による(研修期間あり)
日給月給制、皆勤、時間外手当等、賞与年2回
休日 日曜、祝日、第2土曜、年末年始、夏期休暇
仕事内容 製材工、林業、木材加工
交通費等、状況に合わせて支給。
応募方法 当社webページ及びfacebookページのDMにて
連絡先・申込先 ℡:0946-23-8088 杉岡まで

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